社内の協力を阻害する?
2025年01月29日
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収益向上パートナーの出口経尊です。
現場ごとの労務費を算出する際には、
日報をもとに
・誰が
・どの現場で
・どれくらい作業したか
を記録する工事台帳が重要になります。
特に、自社で技能従事者を
雇用している会社にとっては、
労務費を正しく管理することが
経営の要です。
基本的には、
作業時間の合計 ÷ 8時間/人工
で人工数を算出できます。
例えば、80時間なら
80 ÷ 8 = 10人工。
ここに1日あたりの日当を設定すると
労務費が出ます。
1日2万円なら、
10人工 × 2万円 = 20万円。
ただし、この「1日2万円」が
適正かどうかは会社や業種によって
異なります。
給与や社会保険料、会社経費を
どこまで含むかも判断が難しいところです。
また、技能や経験値の差を考慮すると、
個別に日当を設定する方法もあります。
◎労務費の計算と実際の支払いは合致しない
最近は現場アプリを活用することで、
作業時間の集計や労務費の計算が
容易になっています。
しかし、就労時間の100%を
直接現場作業に充てられるわけではなく、
実質の稼働率は80%台が一般的では
ないでしょうか。
そのため、計算上の労務費と
実際の支払い額は一致しません。
そもそも、完全に
一致させる必要もないです。
ただし、材料費や外注費は
現場ごとと会社全体で
数字を近づけることが重要です。
今回は労務費の話に絞りますが、
労務費の計算方法が
「社内の協力体制」に
影響を与えることもあるので
注意が必要です。
◎「協力できない仕組み」になっていないか?
工事台帳の計算方法を
振り返ってみましょう。
作業時間の合計が増えると、
労務費も増えますよね?
では、誰かが現場を手伝うことで
利益が減るとしたら…?
計算上は利益が
圧縮されることになります。
でも、実際に
会社のキャッシュが減るかと言えば、
答えはNO。
むしろ、
協力することで残業を減らし、
0.25倍の割増賃金を
抑えられることもあります。
休日出勤なら、
コストカット効果は大きいでしょう。
さらに、そこから人工数を減らせれば、
「次の現場に早く移れる」
=「収益を上げやすくなる」
ことになります。
飲食店で言えば、
席の回転率アップと同じですね。
たとえば、中華料理の王将では、
炒飯や餃子がすぐに提供されますよね。
これは、適正価格と
新規・リピート受注のバランスが
取れているからです。
一方、利益率が高い
現場単体で儲かったとしても、
受注数が少なければ
会社全体の売上目標には
届かないことがあります。
その結果、赤字決算や資金繰りの
悪化を招くことも…。
◎「労務費の考え方」で協力体制を強化する
これを防ぐには、工事台帳(管理会計)と
試算表(財務会計)を両方活用し、
目標達成率をチェックすることが大切です。
結果が良ければ、
それを評価・称賛する仕組みも必要。
逆に、労務費の計算にこだわりすぎると、
協力を阻害し、会社全体の生産性を
下げる要因にもなりかねません。
だからこそ、
多面的な視点・計測・評価制度が
欠かせないのです。
◎うちのやり方はどうなんだろう?
今回の話を読んで、
自社の費用や利益の考え方に
課題を感じた方もいるかもしれません。
私自身、
コンサルティングや大学院での研究、
士業・コンサル向けの講座を通じて、
より良い解決策を探求しています。
しかし、現場に落とし込む際は、
難しくならず、シンプルで
実践しやすいことが何より大切です。
収益を向上させるには、
「わかりやすさ」が欠かせません。
「どう改善すればいいのか?」と
気になった方は、ぜひお気軽に
お声がけください。
一緒に考え、実践的な方法を
探っていければ嬉しいです。
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